オープンウォータースイミング(OWS)とトライアスロンのスイム、似てますけど比較してみると結構違います。この違いを理解してOWSを楽しんで頂けるように、数回に分けてその違いについて特集記事にしてみたいと思います。
第2回目のお題は「ウェットスーツの扱いの違い」です。
OWSでも焼津お茶OWS大会のようにウェットスーツを着用して出場できる大会もありますが、着順除外になったり表彰枠が別になったりすることがあります。一方、トライアスロンでは最近ウェットスーツ着用が義務や推奨になっている大会が多くなっています。この違いをルールの面からみてましょう。参考にしたのは日本水泳連盟のオープンウォータースイミング競技規則と日本トライアスロン連合の競技規則です。
OWSのルールから水着についての部分を抜粋しますと
「第6条11 競技者は、スピード、持久性、浮力を高めるような装置を使用もしくは着用してはならない。
公認の水着、ゴーグル、2 枚以下のキャップ、ノーズクリップおよび耳栓の使用は可とする。」
とあり、ウェットスーツについての言及はありません。一方トライアスロンのルールでは、明確に
「第27条2(1) ウェットスーツは、安全のために有効であり着用を推奨する。」
とあります。トライアスロンはバイクやランもありますので、スイムが苦手な方も泳がざるを得ない、という事情があってのことだと思います。
NOWSの競技ルールではウェットスーツは非推奨です。これは「水着だけで完泳できる力を練習で身につけてください」という願いを込めています。また、「ウェットスーツを着ないと完泳できない、または沈むのであればOWSの大会に出場しないほうが安全です」というメッセージでもあります。
低体温症の発生が危惧されるときには保温性のあるウェットスーツは大変有効な対策手段となります。一方でウェットスーツを着用することによるリスクもあります。下記記事にまとめてありますので、ぜひあわせてお読みいただき、安全にOWSをそしてトライアスロンのスイムパートを楽しんで頂ければと思います。
第3回:スタート・ゴールの違い
第4回:コースの作り方の違い その2
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